院生時代に事業を作って月100万円くらい稼いでいた話

院生時代に事業を作って月100万円くらい稼いでいた話

大学生の頃は家庭教師や塾のチューター、子供向けショールームの店員などをしていたのですが、

・自分が頑張っても頑張らなくてもお給料が変わらない(なので当然手を抜く)
・シンプルにバイトをするのが怠い

という理由から、大学院生になってからは、自分で事業を作ってお金を稼いでみる事にしました。

自分がやっていたのはメディア領域の事業で、かっこよく言うとプラットフォームハックです。

プラットフォーム(Google、Twitter、YouTube、Instagram、Facebook)のアルゴリズムを頑張って読み解き、自分のコンテンツを優先的に表示させ、そこから広告収益を生むというものです。(SEOとかMEOみたいな表現の方が分かりやすいかも)

広告はGoogle AdSenseなどのクリック成果型広告と、1件広告主のサイトにユーザーを送客をすると1500円~3万円という成果報酬型広告の2つのタイプの広告を使いました。

特に成果報酬型広告は、企業の案件ごとの広告費が見れて、この業界はこういったビジネスモデルだから収益性が高く、そこにかけられる広告費も高いのか、といったビジネス周りのことも理解できて楽しかったです。

ただ、最初から最後まで楽勝で上手くいったかと言われれば当然そのようなこともなく、成果を簡単に時系列でまとめるとこのような形です。

M1…頑張ってプラットフォーム周りのことを頑張って勉強する。収益はあんまり働かない学生のバイト代くらい。周りの友人が就職活動をしていて焦るが、絶対に働かないぞという気持ちを強く持ち1人で頑張る。

M2…なんとなく事業を仕組み化しないと割の良いアルバイトの時給ほどで終わってしまうなということに気づき、アルバイトの主婦さんやライターを雇う。色々な縁もあり金融系企業の受託事業のようなものも手伝わせて頂けるようになる。

※タイトル詐欺のような収益は、大学院生の本当に最後の方には達成する事ができましたが、事業というものは自分が突っ込んだお金がぐるぐる循環して大きくなって戻ってくるということです。そのため、読者の方が想定しているような給与所得で月100万円!といったものとはイメージがかなり異なると思います。事実、自分は奨学金の200万円を事業に突っ込むことで、お金を生み出す箱をつくりました。種銭が貯まるのを待っている時間も勿体無いので、最初は借り入れが1番だと思います。

自分は元々お金に執着が無く直ぐに浪費してしまうタイプなので、大学院を卒業した今、事業を通して稼いだお金は殆ど残っていないのですが、お金よりも大切なものをいくつか学べたかなと思います。

自分で事業をつくる事で得た気づき

①事業をやるのであればストック型のものを選ぶべき
②労働者サイドには何も残らず、事業主サイドに資本が蓄積される
③お金よりもコミュニティが大切なのだといういうこと

この3つが事業を通して得た、大きな気づきでした。

その1 ストック型>>フロー型

フロー型の事業とは、受託開発やコンサルなど労働集約型の事業のことです。この事業は売上が発生するまでの立ち上がりの時間は早いですが、文字通りフローのように売上が去っていくので、稼ぐためには頑張って働き続けなければいけません。

ストック型の事業とは、顧客リストが取れ売上が積み上がっていくような事業です。分かりやすいところで言うと、不動産管理や人材派遣などです。この事業は伸ばすのが難しいですが、一度伸びれば、半自動でお金が振り込まれていくような夢のような事業です。

自分は、メディア領域の事業はどんどんコンテンツが増えていき、それに比例して広告収益が上がっていくので、メディア事業はストック型の事業だと勘違いしていました。

しかし、SEOを始めとする多くのメディア系事業はGoogleのような大手プラットフォームのアルゴリズムに売上が大きく左右されてしまいます。そのため、メディア事業はストック型に見せかけたフロー型の事業なのです。そこにもう少し早く気づくべきでした。

その2 労働者サイドには何も残らないという気づき

大学院2年生くらいの頃から、アルバイトの人を何人か雇ってメディアを作っていました。

自分はアルバイトの人たちをリスペクトしていますし彼女たちとのメッセージのやり取りは本当に大好きだったのですが、残念ながら労働者サイドには何も残らないのだな、ということに事業運営を通して気づいてしまいました。

簡単に説明をすると、僕はこのコンテンツは3万円の収益を生むということを判断してから、アルバイトの人にコンテンツ作成を依頼します。

ただ、アルバイトの方は自分の時給を1500円と設定し、このコンテンツを作るためには2時間を要するからという理由で3000円のみを僕に請求します。

そして、作成したコンテンツの所有権は僕のものです。

もちろん、必ずそのコンテンツが3万円を生み出す保証はありません。アルバイトの方はリスク無しで直ぐに1500円を貰えるというメリットもあります。

ただ、あまりにも労働者サイドに不利な構造だなあと事業運営を通して気づきました。

そして、この構造は大企業においても同じことだと思います。

入社5年目で年収1000万円を貰える野村総合研究所でシステム開発をしたとしても、その利益の殆どと、今後クライアント企業から貰えるシステム保守費用は野村総合研究所のものです。

平均年収2000万円の企業KEYENCEで、いくらセンサーを売り捌いても、開拓した顧客リストは全てKEYENCEのものです。

年収1000万円 yeahと手放しで喜ぶことも就職活動上のモチベーションのためには大切ですが、労働者をやる以上この構造に気づいておく必要は大いにありそうです。

その3 コミュニティが何よりも大切

大学院2年生の中盤、半自動的にお金を生み出す仕組みが無事完成し、文字通り寝ていてもお金が入ってくる状態になりました。

その結果、昼に起き、焼肉かラーメンを食べ、夜は飲みに行く。それ以外の日は部屋に引きこもって無限にkindleで買った漫画を読む。
こんな生活を繰り返していた結果、無事自律神経をぶっ壊しました。

確かに、効率的にお金を稼ぐのであればアルバイトよりも事業を立ち上げた方が良いです。ただ、アルバイトのコミュニティの中で得られる人との会話や帰属意識は、結構大事だったなあ、と赤ちゃんのような生活を経て気づきました。

そんなこともあり、とりあえず最初は企業に入ってコミュニティに属してみようと思うようになり、運良く拾ってくれる会社があったため、数年はそこで働くことにしました。

そして、いつかはまた自分で事業を立ち上げて、知り合いの、みんなの居場所をつくれるくらいの器の人間になれたらなあと思います。

おわりに

何で学生時代に起業をしたの??
と聞かれる事が多く、その度に「働くのが怠かったから」と答えていたため、いつからかそれが本当に自分の気持ちだと思い込むようになっていたのですが、

今回ブログを書いていて、その怠いというモチベーションだけじゃここまで頑張れないよなあと気づきました。

とはいえ、自分はそこまでお金に興味がある訳ではなく、ここまで頑張れたのは

「〇〇は働かなくても生きていけそうだよね」
と誰かに言われた、そのイメージを体現したいなあと心の中でなんとなくずっと思っていたからなのではないのかな、と今では思います。

 

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